入れ歯
2024年10月1日
深い噛み合わせの患者様の入れ歯の症例
・65歳男性
・奥歯が欠損している状態
・来院時入れ歯なしの状態で噛んだ時に下の歯が見えない状態(ディープバイト)であった。
・CT情報から欠損が起こる前から右方向に歯ぎしりをしていた可能性が非常に高いと考えられる。
治療方針
両側下顎の欠損のため、残っている残存歯にクラスプをかけないといけない状態でした。
下顎に入れ歯、上顎にクラウンブリッジを入れました。
しっかりと咬めて口腔内にフィットする入れ歯を作製するために、事前に綿密に設計して入れ歯製作を行うように注意しました。
また、入れ歯の設計を決めた状態で下顎の補綴物を作製しました。
CT画像
顎関節CT画像の矢状断面
両側の臼歯が欠損しており、垂直的顎間距離を保持する歯がなくなってしまったために関節の矢状面の画像から両側関節頭が後方に変異していることがみられます。
顎関節CT画像の前頭断面
左右の関節頭の前頭断面の形が完全に非対称です。
特に左側の関節頭上部並びに関節窩がかなりフラットに近い状態を認めます。
さらに左側の関節窩の内側面が内側に非常に大きく開いているのがわかります。
ご来院時は奥歯が欠損していましたが、恐らくもともと奥歯があった頃から右方向に歯ぎしりをしていた可能性が非常に高いと考えられます。
治療詳細
初診ご来院時
カウンセリング、レントゲン撮影から状況の確認を行いました。
2回目のご来院
下顎4-4、第一小臼歯から左右の第一小臼歯までを一日で形成、印象してバイトをとり、テックを入れました。
また、約4mmバーティカルバイトを上げて、噛んだ時に前歯が見える状態にしました。
3回目のご来院
上顎前歯が切端摩耗していて、正中離開していたため右上6から左上4までを形成テック。
この状態で上下前歯を仮歯が入った状態で、上下の距離が4mm挙上しています。
側方運動は犬歯誘導になるように暫間補綴物をいれました。
4回目のご来院
加工されたクラウンをセットしました。また、その日のうちに欠損部のデンチャーの印象を行いました。
*先に下顎デンチャーを作製して、その後上のクラウンブリッジに取り掛かっています。
5回目のご来院
下顎にパーシャルデンチャーをセットしました。
これで初めて左右臼歯部にバーティカルストップがかかり噛める状態になった。
※現在、上の最終補綴物を制作中。