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かみ合わせ
2014年6月5日
起床時の左側顎関節痛 症例
26年5月16日に来られた新患の患者様
40歳女性 起床時の左側顎関節痛 症例
こちらの患者様は起床時の左側顎関節痛でご来院されました。
診断と治療方針
左下第二小臼歯が舌側傾斜して、そのために左下の第一、第二大臼歯も近親傾斜を呈しています。そのことから、左側の上下垂直的顎間距離が低位になっている可能性があります。その状態で噛みしめ癖が起こると、左側関節部分に非常に強い負荷がかかり、関節頭上部の骨吸収に至ったと予測されます。
初診時にバイトプレートの印象を取り、下顎に入れるタイプを次回装着し、原則24時間使用してもらい、まず左側顎関節の骨の吸収を止め、逆に新生骨の添加が起こるまでバイトプレートの調整で様子を見ると同時に、顎のストレッチなどで筋肉の緊張を緩め、正しい下顎位が定まってから本格的な歯の治療に入る予定です。
治療の経過
上側2枚は、初診時(2014年5月16日)の左側顎関節のCT画像で、左から側面観と正面観。下側の2枚は2014年9月08日に撮影したCT画像です。上下の写真を見比べていただくと、関節上部にかかっていた影が薄くなり、新しい骨の組織が添加されて、形がしっかりしてきているのが分かると思います。
マウスピースを24時間装着していただき、左の関節に力がかからないようにすることで、骨の再生を促しました。CT画像上で骨の治癒が確認できてから、歯の修復に入ります。
初診2014年5月16日のCT画像
9月8日来院時のCT画像
下記の画像は、左が初診時の上下の歯牙の接触状態を検査したデータで、左右のバランスが崩れています。右の写真は、治療に用いたマウスピースです。歯牙の接触状態は、特に臼歯部で左右のバランスが取れるようになっています。
このようなマウスピースを24時間装着していただくことで、左側の関節にかかる負担が軽減され、関節表面の骨の吸収が止まり、新たな骨の転嫁に変わって、著しく変形した関節頭が治癒傾向に入り、新たな骨の添加がみられるのです。